【from Editor】テロで失われる命の尊さ(産経新聞)

 11日、米ABCテレビのサイトにくぎ付けになった。2001年9月の米中枢同時テロ(9・11)で、世界貿易センターのツインタワーが崩れゆく様子を空撮した写真がアップされていたからだ。

 その数12枚。ニューヨーク市警がヘリコプターから撮影したもので、ABCは情報公開法に基づく請求で約2800枚を入手し、12枚はその一部なのだという。ビルが崩壊する瞬間は、まるで滝か柱のようにみえる粉塵(ふんじん)が瞬時に地をはうように広がる生々しい様子を鮮明に映し出している。

 9・11の現場の映像や写真はあまたあり、見慣れた光景のはずだが、目線が水平や仰ぎ見るように上に向けられたものでない、見下ろしたものは初めて見た。ちなみに写真は「MSN産経ニュース」にもアップされているので、ご覧いただきたい。

 9・11のとき、現場にいた。ツインタワーから命からがら逃げてきた人たちの話を、必死にメモしながら、黒煙を上げるビルにチラチラ目をやった。2つのことが頭をよぎった。「あのビルがこっちへ倒れてきたら、ここまで届く」。もう1つは、人々が逃げ惑う地響きでメモをとる手が止まり、顔を上げると、ビルがストンと真下に崩れ落ちていくのを目の当たりにしたときだった。「あの中には、いったい何人残っていたんだろう」

 当時の様子は「9・11 生死を分けた102分」(文芸春秋)、「マンハッタン、9月11日」(中央公論新社)に詳しい。最愛の夫を失い、「あの中に夫をふくめ多数の尊い命が、もがきながら救いを求めていまもなお叫んでいるのかと思うと、思わず手をあわせていた」と綴(つづ)った、杉山晴美さんの「天に昇った命、地に舞い降りた命」(マガジンハウス)も、涙なしに読めない。

 遺族らの闘いは今もなお、終わってはいない。9・11の主犯格で、国際テロ組織アルカーイダの幹部、ハリド・シェイク・モハメド容疑者ら5人に対する裁きの場が、マンハッタンにある連邦裁判所となり、「テロリストは軍事法廷で裁かれるべきだ」と政府に抗議し続けている。

 それにしても、テロのニュースは連日のように飛び込んでくる。その「日常茶飯事」ぶりに、紙面作りをしていて感覚が麻痺(まひ)さえしてくる。テロは一瞬にして多くの命を奪う。12枚の写真を見つめながら、命の尊さを改めてかみしめた。(副編集長 青木伸行)

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